コラム
2025年04月01日
漢方薬になっている植物のはなし
体調が優れないとき、皆さんはどのように対処していますか?薬を服用して症状を和らげる方もいれば、ゆっくり休んで回復を待つ方もいるでしょう。最近では、漢方薬を取り入れる方も増えており、自然由来の成分がもたらす効果に注目が集まっています。今回は、漢方薬の原料となる植物やその効果についてご紹介します。
漢方薬の魅力とは?

漢方薬は、植物・動物・鉱物由来の生薬を組み合わせて作られる伝統的な医薬品です。体質や症状に合わせて適切な漢方薬を選ぶことで、不調の根本原因に働きかけ、心身のバランスを整えながら健康をサポートします。「なんとなく調子が悪い」といった漠然とした症状にも対応でき、病気の予防にも役立つのが特徴です。自然の恵みを生かした漢方薬は、西洋医学の薬と比べて副作用が少なく、体質改善を目的とした長期的なケアにも適しています。
漢方薬の原料となる代表的な植物
生薬の多くは植物性のもので、古くから薬効が認められ、さまざまな体調不良の改善に活用されてきました。漢方薬として用いられる代表的な植物をお伝えします。
高麗人参(朝鮮人参)

高麗人参(朝鮮人参)は、新陳代謝を促進し、抗酸化作用や免疫力の向上、記憶力の改善など、さまざまな効果が期待できる生薬です。古くから不老長寿の妙薬として重宝され、健康維持や美容にも広く利用されています。
葛(クズ)

葛(クズ)の根を乾燥させた葛根は、「葛根湯」の主成分として知られ、風邪の初期症状や頭痛、肩こりなどの改善に用いられる生薬です。また、蕁麻疹の改善や低血糖予防などにも効果が期待されています。
ウラルカンゾウ・スペインカンゾウ

生薬の甘草は、マメ科のウラルカンゾウやスペインカンゾウの根を乾燥させたものです。ショ糖の150倍の甘味をもつグリチルリチン酸を豊富に含み、醬油やお菓子、煙草などの甘味料としても使用されています。咳や喉の痛み、胃の不調、皮膚炎、筋肉の痙攣など、幅広い症状に効果が期待され、漢方薬の約7割に配合されている重要な生薬です。
桔梗

秋の七草のひとつで、美しい青紫色や白色の花を咲かせる桔梗。その根を乾燥させた桔梗根は、喉の腫れや痛みの緩和に役立つ生薬です。また、腸内環境を整える作用があり、高脂血症や糖尿病の予防効果も期待されています。
菊

菊の頭花を乾燥させた菊花は、目のかすみや疲れ目、充血などの目の不調に使用される生薬です。また、風邪が原因の頭痛にも効果があると言われています。
ケイガイ

シソ科のケイガイの花穂だけ、または花穂をつけた茎枝を乾燥させた荊芥(ケイガイ)は、解熱や発汗、止血、解毒作用をもつ生薬です。風邪や発熱、咽頭痛、鼻炎などの改善に用いられます。
シンナモムム・カッシア

クスノキ科シンナモムム・カッシアの樹皮を乾燥させた桂皮は、血行を促進して身体を温める作用をもつ生薬です。鎮痛や発汗、解熱作用、胃腸機能の調整、血糖値の安定など、幅広い効能をもちます。
ツルドクダミ

ツルドクダミの塊根を乾燥させた何首烏(カシュウ)は、中国で朝鮮人参と並ぶほど重宝される生薬です。古くから不老長寿のための滋養強壮薬として利用され、便秘や高脂血症の改善などにも用いられます。烏のように髪を黒くする作用があることから、育毛剤にも使用されています。
トウカラスウリ・キカラスウリ

ウリ科のトウカラスウリやキカラスウリなどの根を乾燥させた栝楼根(カロコン)は、解熱や抗炎症、止渇、鎮咳作用をもつ生薬です。喉の渇きや咳、あせもなどの皮膚トラブルなどに用いられます。
ウンシュウミカンやマンダリンオレンジ

ウンシュウミカンやマンダリンオレンジの熟した果皮を1年以上乾燥させると、陳皮(ちんぴ)という生薬が作られます。七味唐辛子やカレー粉などの香辛料にも使用されており、身近な食材として親しまれているのも特徴。陳皮は胃腸の調子を整え、風邪症状の改善やストレスの軽減にも効能があると言われています。
まとめ
私たちの身の回りには、漢方薬の原料となる植物が数多く存在します。漢方薬としてどのように役立つかを知ることで、健康的な生活に生かすことができますね。自然の恵みを生かした漢方薬を、日々の健康や美容に役立ててみてはいかがでしょうか。
