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50代、60代の靴選び

「おしゃれは足元から」と言われるように、靴はファッションで重きを置きたくなるもの。そのためデザインを重視して選んでしまいがちですが、足に合わない靴は健康や美容に悪影響を与えることをご存知でしょうか?特に足の老化が始まる50代以降は、足元が引き金となって全身の不調を引き起こす事もあり、慎重に靴選びをしなくてはいけません。今回は50代、60代の靴選びについてご説明します。

靴の役割と重要性

靴には、地面からの衝撃や熱、寒さ、鋭いものなどから足を保護し、足の機能を補助して動作効率を高めるという重要な役割があります。しかし、現代では機能性よりもファッション性が重視される傾向にあり、「デザインが気に入ったから」「今年のトレンドだから」と足に合わない靴を履いている方が少なくありません。

 

しかし、足に合わない靴は靴擦れや魚の目、外反母趾、扁平足、足底筋膜炎、むくみなどさまざまな足のトラブルを招き、さらには膝や腰の痛み、姿勢不良など、足元から離れた部位にも不調を引き起こす原因になります。そのため、足の健康だけでなく、全身の健康と美容のためにも、足の形に合わせた靴を選んだうえでおしゃれを楽しむことが重要です。

加齢による足の変化

成長期を過ぎると、足のサイズは変わらないと思っていませんか?実は、加齢によって足の形やサイズは変化します。特に筋肉量が減少しやすい50代以降は、足の状態の変化に気を配らなければなりません。「履き慣れている靴がきつくなった」「外反母趾が悪化してきた」「足がむくみやすくなった」などの変化は、足の老化サインとして注意が必要です。

 

足の老化に繋がる大きな要因は、足にある縦2つ、横1つの計3つのアーチ構造の崩れです。「クッション機能」「バネ機能」「バランス機能」などを担う足のアーチは、二足歩行の人間にとって欠かせないものですが、加齢によって筋力の低下や、関節が変形することで崩れやすくなります。アーチが無く立体感を失った足はサイズが大きくなるだけでなく、足にかかる負荷や衝撃の分散がうまくできず、バランスの不安定さや推進力の低下、血流不良などを引き起こします。

 

足の変化に気付かずに履き慣れた靴や同じサイズの靴を履き続けると、足の老化スピードを早めてしまうため、定期的に足の状態を確認して適切な靴を選びましょう。健康な足を維持するためには、身体の変化に合わせた靴選びが欠かせません。

足元から健康と美を引き出す!靴選びのポイント

足の形状は人それぞれ違いがあり、生活状況や環境、年齢によっても変化します。定期的に足のサイズを確認しながら、足の健康を守ることを優先した靴選びが大切です。ここでは、靴選びのポイントをご紹介します。

爪先のデザインを足先の形状に合わせる

日本人の多くは足の親指が一番長く、小指に向かうにつれて短くなる「エジプト型」という足の形状をしています。この場合、足先が窮屈な靴よりも、爪先に丸みのあるものや爪先が斜めになったデザインの靴がおすすめです。

人差し指が長く、足の先端が三角形状になっている「ギリシャ型」の場合は足先が山型のものや爪先が開いているデザインなどが適しており、足趾の長さがほぼ均一になっている「スクエア型」の場合は足先が四角いものや爪先の丸みが大きいデザインを選びましょう。

サイズを合わせる

足の大きさには踵から指先までの足長だけでなく、足幅と足囲も含まれます。靴の爪先部分には約1cmの余裕をもたせ、足の幅や甲の部分がフィットする靴を選びましょう。

「ゆったり履きたい」と大きめの靴を選ぶ方もいますが、靴の中で足が滑ることで足や膝が痛んだり、足の骨が変形したり、姿勢が悪くなったりと悪影響を及ぼします。サイズの合わない靴は底が減りやすい等が起き傷みやすくなりますので、靴を長持ちさせるためにも足のサイズに合わせた靴を選ぶことが重要です。

試し履きをする

メーカーやデザインによってサイズ感は大きく変わるため、靴を選ぶ際には試着が欠かせません。歩いたときに足が滑らないか、土踏まずの部分がフィットしているか、指が自由に動かせるか、足の甲や踝などに圧迫感や痛みがないかなど、実際に履いてみないとわからない部分をしっかりとチェックしましょう。

靴選びの専門家に相談する

自分の足に合わせて靴を選ぶ自信がないという方は、靴選びの専門家であるシューフィッターへの相談もおすすめです。靴の専門店や百貨店の靴売り場に在籍している場合が多く、インターネットで検索もできます。一人ひとりの足に合わせた靴を提案してもらえるので、なかなか合う靴が見つからないという方も安心してお任せできますよ。

まとめ

今回は、50代、60代の靴選びについてお話しました。「おしゃれは足元から。健康も足元から」足の老化が始まる50代以降の靴選びは、想像以上に大切ですね。合わない靴を履き続けることで足の寿命を縮め、ゆくゆくは歩行が困難になる場合もあります。自分の足で元気に歩き続けるために、足や全身の健康を守ることを重視して足元のおしゃれを楽しみましょう。