コラム

コラム
シンボル

60代、定年後の夫婦のあり方

第2の人生を夫婦で穏やかに

 

定年を迎えたら悠々自適にゆっくり暮らそう。そんな風に思っている方は多いはず。しかし、夫婦共に自宅にいることで急に距離が近くなり、逆に夫婦仲が悪化してしまった…という話もよく聞きます。セカンドライフを夫婦で楽しく穏やかに暮らすためには、それまでの生活スタイルやお互いの距離感を少し見直すことも必要ですね。子供も独立し、定年を迎え、お互いきちんと向き合う時間を持つのは定年後が初めてだ、という方も多いのではないでしょうか。仕事や家事で忙しい毎日を過ごしていた暮らしから、心にゆとりを持った新しい暮らしへシフトチェンジすることで、夫婦間にも新鮮な風が通ります。

 

今回は、定年後も夫婦円満で過ごせるためのポイントと具体的な方法を紹介します。

 

 

夫婦で円満に過ごすコツ

 

夫婦で一緒にいる時間が増えると、なんとなく気持ちが疲れたり、ストレスがたまるようなことがあります。それは、お互いがあまりにも近くに居すぎる事が原因かもしれません。いつまでも夫婦仲良く過ごすには、まずは必要以上に干渉しないことも大切です。

 

(1)適度な距離感

 

長年ともに暮らしてきた夫婦は空気のような存在だとよく言います。そして、それがとても居心地の良い関係であるとも言います。居心地の良さの理由の1つは適度な距離感です。今までは、仕事である程度の距離が自然と生まれ、バランスをとれていたのかもしれません。定年後の今の生活スタイルで心地よくいられる距離感を改めて考えてみましょう。

 

夫婦でありながら、友人のような戦友のような、お互いを最も知っている同居人。そんな、ほどよい距離感と心持ちがあると、パートナーへの不満も減ってくるものです。

例えば、

 

・寝室は別にする

・お互いに1人の時間を楽しむ

・個室で過ごす時間をつくるなど、家の間取りから生活スタイルを見直してみる

 

など、それぞれの家庭事情に合わせてちょうどよい距離感を持ちましょう。

 

(2)パートナーに期待しすぎない

 

一緒にいる時間が長いと、それぞれの嫌な部分が余計に気になってしまうものです。「もう少しこうしてほしい」「ここを直してほしい」「なぜこんなことがわからないの?」など、相手に求める気持ちも大きくなってしまいます。

 

しかし、夫婦といえども別々の人間です。長年の習慣や性格は、簡単に変えられるものではありません。話し合ってお互いを理解する、直す努力をする事も大切ですが、ある程度は妥協しましょう。「この人はこういう人だから仕方ない」と過度な期待をしないことも、幸せに暮らす秘訣です。

 

どうしても愚痴や文句を言いたくなったときは、一度その場を離れてみてください。すぐにイライラが解消されなくても、他のことに気が向けば、そのうち「まあいいか」と思え、「後から考えると大した事なかったな」と思えるときもあります。

 

(3)家事を分担する

もし奥様が家事のほとんどを行っている場合は、できる範囲でご主人にも家事をやってもらいましょう。料理は苦手というご主人なら、掃除や洗濯、ゴミ出しなどを担当してもらうといいですね。また、ご主人に料理を覚えてもらうために一緒に作れば、コミュニケーションの時間が増えます。料理好きのご主人なら、食事はお任せして他の家事を担当するのもお勧めです。

 

お互いに助け合いながら家事を行うことで、ご主人は家事の大変さを知り、お互いにリスペクトの気持ちも生まれてきます。

 

(4)家族以外の仲間を作る

 

毎日顔を合わせるのが夫婦だけ、家族だけで社会的な交流がないという刺激の少ない生活環境では、運動不足になりやすく、認知症のリスクも高くなります。これを避けるためにも、ぜひ趣味やサークル、ボランティア活動などに参加してください。そして、家族以外に他愛のない会話が楽しめる仲間を作りましょう。

 

いつもと異なる環境に入れば、心地よい刺激を感じ、ため込んだ不満も解消できます。適度な刺激は脳活にも効果的です。

 

 

まとめ:感謝の心を忘れずにちょうどよい距離感で暮らしましょう

 

夫婦として長く付き合っていると、若い頃のようなときめきを感じることも少なく、気づくと相手への不満ばかりが浮かんでしまうという方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ここまで夫婦として同じ人生を歩んだことは、それだけでも素晴らしいことです。

 

今の生活を築けたのは、夫婦二人の努力があったからこそ。お互いに感謝する心を持ち、時にはその気持ちを言葉に表してみてください。最も身近な人へ感謝の気持ちを表すのは苦手な方が案外多いですが、近い人ほど素直な気持ちを伝えたいですよね。たまには「ありがとう」という言葉と共に、お花などをプレゼントしてみてはいかがでしょうか。

お互いに気持ちを日常的に伝え合い、つかず離れずの程よい距離感を保てば、きっといつまでも素敵な夫婦関係を続けることができます。