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ご近所のお一人暮らしの高齢者とのお付き合い

核家族化や少子高齢化が進む日本では、一人暮らしの高齢者が増加しています。それに伴って高齢者の孤立が問題視されており、地域社会の在り方が問われるようになりました。「遠くの親戚より近くの他人」といわれる通り、日常的な助け合いが必要なのはご近所同士であったりするものです。お互いが心地よいご近所付き合いをするには、距離感も大切になってきますね。
 

今回は、ご近所のお一人暮らしの高齢者とのお付き合い方法について考えてみましょう。

 

一人暮らしをしている高齢者の現状

総務省の「一人暮らしの高齢者に対する見守り活動に関する調査」によると、令和2年における65歳以上の高齢者人口は3,603万人であり、そのうち672万人が一人暮らしをしていると報告されました。今後も一人暮らしの高齢者数は増加傾向が続き、令和22年には約896万人に上ると予測されています。
 
さらに、一人暮らしの高齢者は同居者のいる高齢者に比べ、友人や近隣の方などとの交流が希薄な傾向がみられるとも報告されました。人と人との繋がりが希薄化している現代社会において、一人暮らしの高齢者はより孤立しやすい存在である事がわかります。
 
しかし、高齢者の社会的孤立は心身の健康や寿命に悪影響を与えることが明らかになっており、孤立死に至るケースも珍しくありません。そのため高齢者の孤立を予防し、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる環境整備が求められています。

高齢者支援の鍵を握るご近所さん


高齢者が住み慣れた地域で安心して安全に暮らし続けるためには、身近な人々のサポートや見守りが不可欠です。特に一人暮らしの高齢者は、「困ったときに頼れる相手がいない」「病気や死亡時の発見が遅れる」「空き巣や詐欺などの犯罪に巻き込まれる」などの問題を抱えやすいため、よりその傾向が強いと言えます。
1人の高齢者を支える現役世代の人数は、1950年が12.1人であったのに対し、2000年には3.6人、2020年には2.1人と減少を続けています。そのため、医療や介護、社会保障、年金制度などが限界を迎えようとしており、高齢者の自立支援や健康寿命の延伸、地域コミュニティの支援体制強化が喫緊の課題です。
 
そこで、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年を目途に、地域の特性に応じて医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される体制作りが進んでいます。高齢者支援の枠組みが整うことは、少子高齢化がもたらす課題の解決に繋がり、私たち現役世代や子ども、孫、さらにその次の世代の将来を守ることにもなるのです。
 
ただし、この取り組みには、医療機関や介護施設、福祉団体、ボランティアだけでなく、地域の実情や高齢者の日常的な変化を身近に感じられる地域住民の協力が欠かせません。地域住民が高齢者の生活に関心を持ち、支援の手を差し伸べることが重要です。

高齢者を支える近隣住民の関わり方


高齢者が住み慣れた地域で安心して安全に暮らし続けるためには、身近な人々のサポートや見守りが不可欠です。特に一人暮らしの高齢者は、「困ったときに頼れる相手がいない」「病気や死亡時の発見が遅れる」「空き巣や詐欺などの犯罪に巻き込まれる」などの問題を抱えやすいため、よりその傾向が強いと言えます。
 
しかし、ご近所の高齢者を支えようと始めたサポートや見守りも、負担を感じてしまうと長くは続きません。そのため、継続性を重視して自分のできる範囲で無理なく行動することが大切です。
 
例えば、道ですれ違ったときに挨拶をしたり、外出する姿を見送ったりといった小さな行動でも高齢者にとっては大きな支えとなります。また、「いつもと様子が違う」「知らない人が出入りしている」「最近姿を見かけない」などの異変に気付いた際、地域の支援センターや消費生活センターに相談したおかげで事なきを得て、結果的に大きな助けになる事もあります。
 
高齢者のサポートや見守りは一見大変なイメージを抱きやすいですが、地域住民一人ひとりの小さな行動や気配りが高齢者の生活を支える大きな力になります。

 

まとめ

今回はご近所に住む高齢者の中でも、特に一人暮らしの方との交流に焦点を当ててお話ししました。数年後、もしくは数十年後に自分も高齢者の立場になることを忘れず、無理なくできる高齢者とのよい関係を築いてみてはいかがでしょうか。たった1日に数秒の関わりが、目の前の高齢者だけでなく、将来の自分や日本の未来を守ることになるかもしれません。