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年末年始にご家庭内で気を付けたい家庭内事故

師走に入り、今年も残すところわずかとなりました。大掃除や年賀状の準備、お節の用意などで忙しい日々をお過ごしではないでしょうか。

今回は年末年始にご家庭内で気を付けたい家庭内事故とその対策についてご説明します。事故を未然に防ぎ、清々しい気持ちで新たな年をスタートしましょう。

年末年始に起こりやすい家庭内事故とは?

年末年始は寒さが一段と厳しくなることに加え、家族の帰省やお正月の準備など、普段とは異なる行動が増える時期です。思いがけない事故が起こりやすいため、安全対策が欠かせません。

ここでは、年末年始に起こりやすい家庭内事故について具体例をご紹介します。対策についても解説しますので、ぜひ取り入れてみてください。

ヒートショック

ヒートショックとは、急激な温度変化によって身体がダメージを受けることを指します。症状にはめまいや頭痛、動悸、失神などが挙げられ、脳卒中や心筋梗塞、溺水などを引き起こして生死に関わる場合も少なくありません。65歳以上の高齢者に起こりやすく、高血圧や不整脈などの持病を抱えている方もリスクが高いと言われています。

暖かいリビングから寒い廊下やトイレ、浴室などへ移動する際には注意が必要です。また、食事直後や飲酒後の入浴は血圧の変動が大きくなるため、気温の低さに加えて会食の機会が増える年末年始は特に気を付けましょう。

ヒートショックを防ぐには?

ヒートショックを防ぐためには、急激な温度変化を避けて身体への負担を最小限に抑えることが大切です。そして万一のときに備え、トイレや入浴などで席を外す際はご家族にひと声かけておきましょう。次に、ヒートショックの予防策をご紹介します。
 
1. 脱衣所や浴室、トイレを暖めておく
2. お湯の温度は41度以下、湯につかる時間は10分までを目安にする
3. 浴槽から急に立ち上がらない
4. 食後や飲酒後、医薬品服用後の入浴は避ける
5. ヒートショック予報を確認する
ヒートショック予報 – 日本気象協会 tenki.jp
 

餅による窒息事故

餅を食べる機会の多い年末年始は、餅による窒息事故が多発します。その多くは65歳以上の高齢者で、加齢に伴って唾液の分泌量が減り、嚙む力や飲み込む力も低下することが大きな原因と考えられています。

処置が遅れると命を落とす可能性もあるため、「毎年食べているから大丈夫」と油断せずに注意しながら餅をいただきましょう。

餅による窒息事故を防ぐには?

餅による窒息事故を防ぐためには、餅の形状や食事の仕方などに工夫が必要です。ご自身が気を付けるだけでなく、ご家族にも見守ってもらいながら、安全に食事を楽しみましょう。つぎに、餅による窒息事故の予防策をご紹介します。
 
1. 餅を食べやすい大きさに切る
2. 食べる前に水分をとって喉を潤す
3. ゆっくりとよく噛んでから飲み込む
4. 万一のときに備え、ご家族と一緒に窒息時の対処法を学んでおく
気道異物除去の手順|日本医師会 救急蘇生法 (med.or.jp)
 

大掃除中の転倒転落や火災事故

気持ちよく新年を迎えるため、年末に大掃除をする方は多いのではないでしょうか。そこで気をつけたいのが、転倒や転落、火災、有毒ガスの発生といった掃除中の事故です。具体的には次のような例が挙げられます。
 
● 転倒:浴室の濡れた床で足を滑らせた、整理中の荷物に気付かず躓いた
● 階段から転落:荷物を抱えていて足元が見えなかった、バランスを崩した
● 脚立・椅子から転落:誤った使い方をしていた、身を乗り出してバランスを崩した
● 掃除機から発火:欠陥のある非純正バッテリーを使用していた
● 有毒ガスの発生:塩素系と酸性の洗剤を一緒に使用した、混ざってしまった
 
頭部打撲や骨折など重症に繋がる可能性もあるため、安全第一で大掃除に取り組みましょう。
 

大掃除中の転倒転落・火災事故を防ぐには?

大掃除中の転倒転落・火災事故を防ぐためには、掃除用具や洗剤を正しく使うことはもちろん、足元や足場の安全を確保することも大切です。特に高齢者は怪我をしやすいため、補助側に回るなど無理をしないように気を付けましょう。
次に、大掃除中の転倒転落・火災事故の予防策をご紹介します。
 
1. 床が濡れている場合、拭き取ってから足を踏み入れる
2. 足元に気を配りながら移動する
3. 荷物は無理のない範囲で少しずつ運ぶ
4. 安定した足場を選ぶ
5. 脚立などの掃除用具を正しく使用する
はしごや脚立の使用法-厚生労働省
6. 純正バッテリーなど、安全性の補償された製品を使用する
7. 種類の違う洗剤を一緒に使用しない
8. 洗剤の容器に書かれている注意事項を確認する
9. ご家族にお手伝いを頼む、もしくは清掃業者を利用する
 

清々しい気持ちで新年を迎えるために

年末年始にはこの時期ならではの危険が潜んでいますが、事前に対策をすることで安全かつ楽しい時間を過ごせます。ご家族や周りの方々にも協力してもらいながら、より良い新年のスタートをお迎えください。