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フレイルとロコモティブ症候群の違いはなに?

フレイルとロコモティブ症候群の違いはなに?

私たちが暮らしている日本は、世界でトップクラスの長寿国です。しかし、自立した生活が難しくなり介護を必要とする平均期間は約10年と言われており、昨今では健康寿命の延伸が重要視されています。
 
活き活きと自分らしく暮らし続けるために、健康意識を高く持って予防・対策に取り組むことが大切です。今回は、要介護リスクを高める「フレイル」と「ロコモティブ症候群」の違いについてご説明いたします。
 

フレイルとは?

「フレイル」とは健康と要介護の間、つまり介護が必要になる一歩手前の状態を指します。
虚弱や老衰、脆弱を意味する英語「Frailty」を語源とし、身体的な衰えだけでなく、認知機能の低下や鬱病などの「心理・精神的な衰え」、人との交流や繋がりが希薄化する「社会性の衰え」が複合的に生じる事が特徴です。
 
高齢者の多くはフレイルの期間を経た後、徐々に要介護状態に陥ると考えられており、健康寿命の延伸にはフレイルの予防や対策が欠かせません。
 
「体重が落ちた」「息切れしやすい」「なかなか疲れが取れない」「外出が億劫」といったフレイルの兆候を見逃がさず、早期かつ適切なサポートで健康長寿を目指しましょう。
 
フレイルの診断 | 健康長寿ネット (tyojyu.or.jp)
 

ロコモティブ症候群とは?


「ロコモティブ症候群」とは、運動器の衰えによって立つ・歩くといった移動能力が低下した状態を指します。原因には加齢や運動不足のほか、骨粗鬆症や変形性膝関節症、脊柱管狭窄症などの運動器疾患が挙げられ、腰や膝に痛みを感じやすい点が特徴です。
 
身体が思うように動かないことで運動量や外出の機会が減り、より運動器の機能低下が進行するという負のサイクルに陥りやすく、進行と共に要介護のリスクが高まります。「家の中で躓いたり滑ったりする」「階段を上がるのに手すりが必要」「15分以上歩き続けることができない」などのちょとした身体の変化やサインを見逃がさず、いつまでも自分の足で歩くことを目標に身体のメンテナンスを行いましょう。
 
ロコチェック | ロコモONLINE | 日本整形外科学会公式 ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト
 

フレイルとロコモティブ症候群の違い

一般的に、ロコモティブ症候群は運動機能の低下を主に指しています。一方のフレイルは、それに加えて心理面や精神面、社会的要素なども包括的にみています。
 
「足腰の自由が利かなくなってきた」といったロコモティブ症候群の進行から社会参加に支障をきたし、精神的・社会的な変化も表れフレイルの段階に入る、といった関係性があります。
 
近年、新型コロナウイルスの拡大による長期間の外出自粛をきっかけにロコモティブ症候群になった、もしくは症状が進行したという方は少なくありません。身体や心、認知機能が衰えてフレイル状態になった人数は通年の約1.5倍に拡大したという調査報告があり、介護予防における人や社会との繋がりの重要性が浮き彫りになりました。
 
両者ともに症状が進行すると改善が難しくなるため、身体の状態を小まめにチェックしながら予防・改善に努めましょう。
 

健康長寿を目指すために


今回は、「フレイル」と「ロコモティブ症候群」の違いについて解説しました。
活き活きと自分らしい暮らしを続けるためには、身体と心の健康はもちろん、地域や人との繋がりを維持・拡大することも重要です。フラワー心理セラピーをベースとした健康長寿のお花遊びサロンは身体と心に働きかけてポジティブな影響を与え、交流の場として皆様の健康長寿をサポートいたします。