コラム

コラム
シンボル

高齢者と家族、家族同士のもめごとを少なくするには

1.高齢者と家族同士の間でなぜもめごとが起きてしまうのか

「うちの親は頑固で」「○○の言うことはきくけど私の言うことは聞いてくれない」と高齢者のご家族からよくお話を聞きます。また、高齢者からも「うちの家族からは何もしてもらえない」という話も聞きます。それぞれに話を聞くと、思い違いもあれば、意識しているところの違いなどさまざまなことから行き違いが原因になっていることが多いです。
 
今回は、そんなもめごとの元となりやすい行き違いを減らせるポイントをお伝えできればと思います。
 

2.高齢者と家族間の今までの関係性で変わる対応のポイント

高齢者も家族も今までの関わり方があります。もちろん高齢者自身の性格も大きく影響してるため、急に変えることは双方にとって余計な負担がかかります。
今回は3つのパターンで紹介したいと思います。
 

(1)交流を好む高齢者と家族の場合
家族にとって、高齢者の老化を感じることがあります。心配だし、困っていそうだからこそ口や手を出したくなる方も多いです。ですが、高齢者自身にとってはゆっくり老化しており、工夫しながら生活できているので特に困っていないことも多いです。
 
高齢者にとって、「助けて」と言っていないことに口を出されるということは、自分のペースを乱される別の「困りごと」になる可能性が高いです。
心配な時は、一度「手伝おうか?」と声をかけ不要と言われたら引いて様子をみることをお勧めします。また他の家族にも具体的に心配に思った点を伝えておくと視点が多くなり安心に繋がります。
 
(2)あまり交流を好まない高齢者と家族の場合
自分の生活に口を出してほしくない、盆暮正月も来なくていいという高齢者もいます。そのような時は、健康長寿の花*コミュニケーターの利用をお勧めします。高齢者の多くは「家族には弱みを見せられないけど、専門職なら頼れる」という方が多いです。
 
特に健康長寿の花*コミュニケーターはフレイル予防も含めた老年学や心理学などを学んだ専門職が関わり高齢者自身の生きがい作り、認知機能低下にも効果があります。他者との関わりで充実感があると家族への接し方も変わる方も多いためお勧めの方法です。
 
詳しくはコチラ⇒お花遊びサロン
 
(3)一定距離を保ちたい高齢者と家族の場合
主に義両親に対しての対応として多いです。この場合パートナーなどの高齢者の今後に関わる決定権を持つ人に「自分は緊急時などは協力できるけど、日常は難しい」など自分が関わってもいい部分を事前に伝えておきましょう。有事の際に、パートナーにあれこれ手伝えと言われ「そんなことできない、聞いてない」ともめごとになることも多いです。
 
今までの親子関係から実子の際でも一定距離を保ちたい場合は、有事の際どこまで自分は支援するつもりかをパートナー等に伝え、了承を得ておきましょう。
 

3.高齢者と家族との間のもめごとを少なくするには

高齢者も家族も、今まで積み重ねてきた関係性の上で成り立っています。高齢者と家族の間でのもめごとを全くなくす事は難しいですが、少なくすることはお伝えしたポイントを頭の隅におくだけでもかなり違ってきます。
 
高齢者とだけでなく、家族同士のもめごとも多くなってくると生活が苦しいと感じることが多くなります。ちょっとしたポイントですが、高齢者と家族同士との間のもめごとを少なくするために役立つとうれしいです。

 

監修・著者プロフィール

監修 公認心理士・健康長寿の花*コミュニケーター 芙和せら
筆者 介護福祉士、レクリエーションインストラクター資格保有 M.N