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高齢者をサポートする資格一覧

1.目前に迫る2025年問題

2025年問題という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。少子高齢化が進む中、団塊の世代の方が75歳以上の後期高齢者になることで、高齢者を支える側のマンパワーが不足する可能性があることを指しています。2025年なんてまだ先だなと思っていましたが、すぐそこまで来ている問題となっています。実際、現場で働いていると職員が不足して閉鎖する事業所もあります。そんな中、健康寿命を延ばすためにも重度化予防、元気で地域で高齢者に生活してもらうために高齢者をサポートする資格があります。
 
今回は、病院で療養を支援する看護師やヘルパーや施設の介護職として働く介護福祉士、リハビリ職種である理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など実際介護が必要になった時にサポートする資格以外にも、高齢者をサポートする資格があるので紹介してみたいと思います。

 

2.高齢者をサポートする資格

(1)社会福祉士(国家資格)
社会福祉士という資格を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。高齢者をサポートする資格として、高齢者が最初に会うのは入院病棟のある「病院の相談員さん」です。大病をした後、自宅に戻る時にどうやって介護保険を利用するのか、どこのケアマネジャーに相談すればいいのか、わからないことだらけで困りますよね。そんな時に相談にのってくれ、手伝ってくれるのが「病院の相談員さん」です。社会福祉士の資格を持っている方が多く、字の通り介護保険サービスだけでなく、身体障害のサービスなど福祉に関わる制度のプロフェッショナルです。また自宅で生活している方でもケアマネジャーや看護師と、医師や病院をつないでくれる医療と介護の連携を図るためにはなくてはならない高齢者をサポートする資格です。
 
(2)ケアマネジャー/介護支援専門員(公的資格)
ケアマネジャー、ケアマネと呼ばれることが多い資格ですが、正式には介護支援専門員と言います。ケアマネジャーは介護保険において窓口となり、介護を必要とする高齢者や高齢者の支援者の希望する生活を一緒に考え、高齢者自身の意向を確認し、サポートする資格となります。施設、自宅などそれぞれにケアマネジャーがおり、高齢者本人の自立支援を目的としながら、不安や心配ごとの解消に向かい、介護サービスの利用や生活の困りごとのサポートを行う資格です。また最近では虐待の早期発見や認知症による財産管理が難しくなった高齢者に対して生活に困らないようにさまざまな制度に繋げるなどの役割もあり、多岐にわたって高齢者をサポートする資格です。
 
(3)福祉住環境コーディネーター(民間資格)
福祉住環境コーディネーターは検定試験を受け合格することで1級〜3級と級が分かれている資格です。実際資格で仕事をしている方は1級か2級を持っている方が多いです。文字通り、福祉を必要とする高齢者や障害者の身体の状態や動き方を確認し、ケアマネジャーやリハビリ職種と連携し高齢者が動きやすい住環境にする住宅改修のアドバイスや手続きを手伝ってくれます。階段の手すりを付けるときに、階段ちょうどではなくて、もう一歩先まで手すりを伸ばすことで高齢者がのぼりやすくなることがあります。そんな提案をわかりやすく伝えてくれ、高齢者自身としっかり相談し、実際工事をする大工さんにも伝えてくれるとても頼りになる高齢者をサポートする資格です。意外と資格を持っている方も多いので、自宅のリフォームをする際にはリフォーム業者に確認してみることをおすすめします。
 
(4)健康長寿の<花*コミュニケーター>(民間資格)
健康寿命を延ばすためにも、心身共に元気でいることが大切になってきます。そんな時に活躍してくれるのが健康長寿の花*コミュニケーターという資格です。切り花を用いて行うアートセラピーの専門職です。アートセラピーというとフラワーアレンジメントと思う方も多いですが、器づくりなど多様な関わり方を行い、創意工夫することで認知機能へのアプローチが行うことができます。高齢者だけで行うのではなく花*コミュニケーターという有資格者が介入することで意識的に高齢者一人ひとりの個性や他者への興味を引き出すことができ、意欲的な社会交流の場となります。福祉の資格者と関わることは、高齢者自身が「自分はなんらかの原因で介護が必要になった」とネガティブに感じられることがあります。この健康長寿花*コミュニケーターという資格は、介護が必要のない高齢者から介護が必要になった高齢者までの幅広く、そしてポジティブな感情を高齢者が感じることができる、そんな特徴を持った数少ない高齢者をサポートする資格となります。
 
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3.専門性を生かして活躍しています

高齢者をサポートする資格というと、ケアマネジャーや介護福祉士などの資格を思い浮かべる方も多いと思います。ですが、意外と知られていない資格取得者も身近にいて、各資格取得者にしかできない方法で高齢者をサポートしていることを知っていただけたら嬉しいです。

 

監修・著者プロフィール

監修 公認心理士・健康長寿の花*コミュニケーター 芙和せら
筆者 介護福祉士、レクリエーションインストラクター資格保有 M.N