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お花の流行高齢者が喜ぶ、昭和に流行った花

おじいちゃん・おばあちゃん、お父さん・お母さんなど、高齢の方への贈りものに悩むことはありませんか。そんなときは、年齢や性別に関係なく喜ばれる花がおすすめ。花は見た目の美しさと香りで心を癒すだけでなく、認知機能の改善や社会性の向上にも効果があると言われており、高齢者の生活を豊かにする素敵な贈りものです。
 
どんなお花をあげればいいか分からないという方は、昔流行ったお花をあげるのはいかがでしょうか。お花の美しさに加えて、当時の思い出や懐かしさが蘇ってきっと喜ばれますよ。
 

昭和に流行った花とは?


髪型や服と同じように、花にも流行があります。現代の高齢者世代が懐かしく思う花にはどんなものがあるのでしょうか。ここでは、昭和に流行った7つの花をご紹介します。併せてお花の心理効果もご紹介しますので、どんなお花が必要かも想像しながらご覧になってみてください。

シャコバサボテン

一家に一鉢と言われるほど、昭和に大ブームを巻き起こした「シャコバサボテン」。秋から冬にかけて色鮮やかな花を咲かせるため、花の少ない時期に部屋を明るくする貴重な植物です。赤や白、ピンク、黄など、さまざまな花色がありますが、葉の緑色に映える赤い花は一層の華やかさがあります。
 
赤と緑の色合わせは高揚感をもたらす色彩心理効果があります。赤い花色のシャコバサボテンを贈ることで、昭和の懐かしい記憶を蘇らせるだけでなく、心身の健康にも繋がりますよ。

セントポーリア

昭和後期に大流行した「セントポーリア」。室内花の女王とも呼ばれ、生育環境を整えれば、通年可愛らしい花を咲かせます。人間が過ごしやすい環境を好むため、室内で楽しむには最適な花です。
 
代表的な花色は紫で、かわいい花姿とも相まって、自分らしく自分のペースでいいんだという安心感を与えてくれる心理効果があります。高齢になると身体の変化にもどかしさを感じたり、孤独感を覚えたりとストレスや不安を抱える方が少なくありません。紫のセントポーリアを贈ることで、大切な方の心の負担を軽くしてくれます。

シンビジウム(マリリンモンロー)

1970~1980年代に人気を博した「シンビジウム」。その中心となったのが「マリリンモンロー」で、シンビジウム史上、最多の栽培数を誇る品種です。冬から春にかけて、華やかで大きなピンク色の花を咲かせます。
 
ご高齢の方にとってピンク色のシンビジウムは、人生がもっとも充実していた時代を象徴する花です。側に置いていただくことで「この人生はよかった」という気持ちになれる花の心理効果がありますよ。

金木犀

秋の訪れを告げる「金木犀」。秋になるとオレンジ色の小さな花を枝いっぱいに咲かせ、特徴的な甘くフルーティーな香りを放ちます。昭和時代に多くの家庭で植えられた庭木であり、その香りは「幼少期を思い出す懐かしいもの」としても有名です。
 
金木製の芳香成分には、安心感や幸福感を高めてくれる成分が含まれています。精油で再現するのが難しい香りなので、あの幸福感を得るには毎年の開花シーズンを待つしかありません。毎年の開花を楽しみにすることは生きがいにもつながりますので、「長生きしてね」の願いを込めて鉢植えをプレゼントするのはいかがでしょうか。

沈丁花

春の訪れを告げる「沈丁花」は、甘く上品な香りが特徴です。金木犀やクチナシと並ぶ三大香木の1つで、その中でも沈丁花は最も遠くまで香りが届くと言われています。昔から庭木や鉢花として広く愛されており、「沈丁花」の香りを感じると、昭和にヒットした石川さゆりさんの曲を思い浮かべる方も多いようです。
 
沈丁花には、私たちの心を満たし、幸せな気持ちにしてくれる心理効果があります。加えて「他者信頼感」も高まります。引きこもりがちな高齢者にとって、人との交流を促す効果がある花です。

チューリップ

春に色とりどりの花を咲かせる「チューリップ」は、年齢や性別を問わずに広く愛される花です。昭和29年に富山県、昭和38年に新潟県の県花に制定されており、2007年にNHK放送文化研究所が行った調査では、日本人が好きな花の2位にも選ばれています。昭和に誕生したポップスバンドのパイオニア「チューリップ」の曲を聴いて育った世代にとっては、より思い出深い花かもしれませんね。
 
チューリップの花の心理効果は「素直な自己表現」です。高齢者の中には思考が頑固に凝り固まってしまう人もいらっしゃいます。そんな方にチューリップを贈ることで、やわらかな笑顔を引き出してもらえるかもしれません。

スイートピー


甘い香りとフリル状の繊細な花びらが特徴の「スイートピー」。昭和の名曲である「赤いスイートピー」で一気に認知が高まり、春の花として人気があります。当時はスイートピーに赤色はなく、あわてて赤色の品種を作り出したという逸話があるほどの人気でした。
 
スイトピーはヨーロッパでは古くから安眠の花と呼ばれています。実際に芳香成分には気分を上向きにしたり、楽天的にさせるものが含まれています。くよくよ悩みがちで眠れない人にとっては、嬉しい花の効果です。

まとめ

今回は、昭和に流行った7つの花を紹介しました。花は、種類や色によって異なる心理効果をもちます。花の心理効果は「フラワー心理セラピー」とよばれ、学術的な根拠をもとにした芸術療法として高齢者施設でも取り入れられています。
 
お花の心理効果を知っていれば、ご家庭でも手軽に活用できますね。「いつまでも元気でいてほしい」「明るい気持ちで毎日を過ごしてほしい」といった願いを込めて、懐かしい花を贈ってみてはいかがでしょうか。思い出や気持ちの込もった花は、心温まる嬉しいプレゼントになりますよ。
 
この記事は、『健康長寿のお花遊びサロン』で活躍する花コミュニケーターの監修を受けています。健花法・老年学・心理学など、幅広い専門知識をもつ花コミュニケーターの見解とアドバイスを基に有益な情報をお届けいたしますので、「健康長寿を目指す方」や「高齢のご家族をお持ちの方」、「誰かの役に立ちたいとお考えの方」など、ぜひ参考にしてください。