コラム

コラム
シンボル

40代、50代から老後を考える方がよい理由

40代、50代で老後について考えるのは早すぎると思っていませんか。老後の準備は「定年が近くなってから」「身体の衰えを感じ始めたら」と考えていると、いざ老後に直面したときに何もできず後悔する可能性も。充実した老後生活を送るためには、早めの準備が肝心です。今回は、40代、50代から老後を感じる方がよい理由についてお伝えします。

老後が人生の1/4を占める時代!

何歳からが老後なのかについて明確な定義はありませんが、一般的には定年退職を迎える60代半ばが老後の始まりと捉えられています。仮に65歳を老後の始まりとすると、老後の生活はどのくらい続くのでしょうか。厚生労働省が報告した令和4年簡易生命表によると、65歳時点での平均余命は男性で約19年、女性で約24年となっています。これは人生の約1/4に相当する期間で、老後がいかに長いかがわかりますね。この長い老後を充実したものにするためには、計画的な準備が必要です。

主な年齢の平均余命-厚生労働省

40代・50代から老後を感じる方がよい理由

 

老後は子どもの独立や長年勤めてきた会社からの退職などによって、自由な時間が増える時期です。一見すると楽しい時間が待っているように思えますが、収入の減少や生活スタイルの大きな変化、さらに老いによる身体や精神な衰えに直面する時期でもあります。これらの変化にうまく適応し、充実した老後生活を送るためには、長期的な視点で計画を立てることが大切です。40代、50代から老後を感じることがなぜ重要なのか、4つのポイントを確認しましょう。

老後資金を計画的に積み立てられる

定年退職後、老後の収入源として年金に頼る方が多くなります。しかし、年金だけでは生活費を十分に賄えない場合が多く、経済的な不安を感じる方も少なくありません。生活費に加えて住宅の改修費用、自動車の買い替え、旅行、冠婚葬祭など、老後に必要な資金の全体像を把握し、退職前から計画的に老後資金を確保することが重要です。その際、最大の味方となるのが「時間」。積み立てや投資に長い時間をかけられると、少ない負担で目標金額に到達しやすくなるだけでなく、計画の見直しや予期せぬ出費にも柔軟に対応できます。40代、50代から早めに準備を始めることで、経済的な不安を軽減し、豊かで充実した老後を迎えられますよ。

健康寿命の延伸に繋がる

日本は世界一の長寿国ですが、平均寿命と健康寿命には約10年の差があることをご存知でしょうか。健康寿命とは「健康上の問題で、日常生活が制限されることなく生活できる期間」を指します。病気や怪我に悩まされることなく自分らしい生活を送り続けるためには、健康寿命を延ばすことが不可欠です。しかし、健康は一朝一夕で得られるものではありません。定期的に健康診断を受けたり、バランスのとれた食事や適度な運動、質の良い睡眠といった日々の積み重ねが、健康寿命の延伸に繋がります。40代、50代から早めに健康管理に取り組むことで、活動的で充実した老後の基盤を築いてくれますよ。

セカンドキャリアへの移行がスムーズになる

人生100年時代を迎え、65~69歳では2人に1人、70~74歳では3人に1人が働く時代となりました。定年退職後に充実したセカンドキャリアを築くためには、40代や50代の早期から自己分析を行い、仕事や人生における自分の目標を明確にすることが大切です。目標達成に向け、必要なスキルや資格を取得したり、人脈を広げる時間を十分に確保することで、セカンドキャリアへの移行がスムーズになり、定年後の生活がより充実したものになります。

老後の生きがいを見つけられる

老後は自由な時間が増える一方で、「何をすればいいのかわからない」「したいことが見つからない」と時間の使い方に悩む方も少なくありません。時間をもて余すことなく充実した老後を迎えるためには、長期的に興味や関心をもち続けられるものを見つけることが大切です。しかし、簡単には見つからない場合が多いので、40代や50代から時間をかけて探し始めることをおすすめします。旅行やガーデニング、寺社巡りといった新しい趣味を見つけたり、ボランティア活動に参加したり、居心地の良いコミュニティを開拓することで、心身ともに元気でいられる老後の生きがいを見つけられますよ。

老後を豊かにする『老年学』の知識

『老年学』とは加齢に伴って生じるさまざまな課題に立ち向かい、生涯をより良く生きるための方法を追求する学問です。医学や精神医学、心理学、社会学、栄養学など多くの分野を連携させることで老化防止に繋げ、誰もが健康で充実した老後を送ることを目的としています。老年学は自分が高齢者になるときはもちろん、高齢の家族をもつ方や超高齢社会を生き抜く若い世代など、世代を超えて役立つのが特徴。老年学が広く受け入れられ、社会全体で高齢者がより良い生活を送れるようにサポートすることが期待されます。

まとめ

早ければ早いほど良いと言われている老後の準備。特に、生活基盤が安定し将来の計画が立てやすい40代、50代からの取り組みが、豊かな老後を築くための重要なポイントとなります。早期に老後の過ごし方を具体的にイメージし、時間を有効に活用して老後資金の確保や健康寿命の延伸、セカンドキャリアの準備、そして趣味や生きがいの探求に取り組むことが大切です。また、より健やかで充実した老後を迎えるために、老化防止に役立つ老年学の知識を深めることもおすすめします。