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熱中症予防によい飲み物は?

暑い夏を前に、これから大切になってくるのが水分補給。汗をかいて水分や塩分が失われると、身体に熱がこもりやすくなり、熱中症のリスクが高まります。熱中症は重症化すると命に関わる場合もあるため、小まめな水分補給で脱水を防ぐことが重要です。しかし、水やお茶、ジュース、スポーツドリンク、経口補水液など、何を飲むのが良いか迷ってしまいますね。そこで、今回は熱中症予防によい飲み物についてご紹介します。

体温調節に重要な水分

高温多湿の環境下や運動などで体温が上昇すると、私たちの身体は汗をかいて体温を下げようとします。これは、汗が蒸発するときに発生する気化熱を利用したもので、人間の身体に備わった体温調節機能の1つです。

 

しかし、体内の水分は汗や息、尿によって常に失われており、水分補給をしなければ脱水を起こして体温調節がうまくできなくなります。特に、多量の汗をかく暑い時期は脱水を起こしやすく、熱中症のリスクが高まるため注意が必要です。喉の渇きを感じたらすでに脱水が始まっているサイン。しっかりと水分補給をして、熱中症を予防しましょう。

 

熱中症予防によい飲み物は?

令和5年の5月から9月にかけて、熱中症により救急搬送された人数は91,467名、そのうち107名もの方が命を落としました。温暖化の影響で、最高気温が35度以上の猛暑日や最低気温が25度以上の熱帯夜の日が増加しており、年々熱中症のリスクは高まっています。熱中症予防のために小まめな水分補給を心掛け、暑い時期も元気に過ごしたいですね。

しかし、「水分補給が大切なことは知っているけれど、何を飲めば良いの?」とお困りの方も多いのではないでしょうか。特に高齢者の方は「水分補給=お茶を飲む」というイメージをお持ちの方が多いかもしれませんが、熱中症予防によい飲み物や、水分の摂り方にも注意点がありますので、是非参考にしてください。

水や麦茶などのノンカフェイン飲料

緑茶やコーヒー、紅茶に含まれるカフェインには利尿作用があり、過剰に摂取すると補給した水分量以上の水分が尿として排出されます。そのため、水分補給には水や麦茶などのノンカフェイン飲料がおすすめです。
ただし、大量に汗をかいた際には、水分だけでなく塩分などのミネラルも補う必要があります。麦茶に含まれるミネラルは少量のため、塩飴や塩分タブレット、スポーツドリンクなども併用してミネラルを補給し、熱中症の予防効果を高めましょう。

スポーツドリンク

スポーツドリンクには、水分だけでなく塩分やミネラルが含まれています。汗によって身体から失われた成分を効率良く補給できるため、熱中症予防にはスポーツドリンクもおすすめです。

 

しかし、糖分が多いスポーツドリンクを過度に摂取すると、「ペットボトル症候群」と呼ばれる急性の糖尿病を引き起こす恐れがあります。スポーツドリンクの常飲は避け、水や麦茶などと併用しながら水分補給を行いましょう。

経口補水液

「飲む点滴」とも呼ばれる経口補水液は、水分や塩分、糖分などがバランスよく含まれており、脱水症状の治療に用いられています。スポーツドリンクと比べて塩分が多く、糖分が少ないのが特徴で、効率的に水分や塩分を身体へ浸透させるため、熱中症予防にもおすすめのです。

 

しかし、脱水症でない方が普段の水分補給として、経口補水液を飲むのは適切ではありません。製品ごとに決められた1日の目安量を守り、飲み過ぎに注意しましょう。また、高血圧や腎臓病、糖尿病等の持病をお持ちの方は、飲用前にかかりつけ医へ相談いただく事をおすすめします。

常温の飲み物

冷たい飲み物ばかり摂取すると、急激な体温の変化によって身体や胃腸に負担がかかります。熱中症予防として小まめに水分補給をする際は、身体への負担が少なく、吸収効率の良い常温の飲み物を選ぶことが大切です。ただし、熱中症などですぐに身体を冷やす必要があるときには冷たい飲み物を選びましょう。

まとめ

今回は熱中症予防によい飲み物をご紹介しました。熱中症は、適切な対策をすることで100%防ぐことができると言われています。暑い時期も元気に過ごすために、水分補給に適した飲み物を選んで熱中症予防をしてみてはいかがでしょうか。